食事会09「食事会と心理テスト」
12番の彼は激昂したまま食堂を出て行き、
他の人も釣られるように出て行った。
ところが先程、助け舟を出した3人は、
集まって何かを話していた。
一応お礼を言おうと、近づいたが、
他者を寄せ付けぬ雰囲気を醸し出していた。
勇気を振るいお礼を言うと、
ある程度予測していた答えが返ってきた。
「あぁいいよ気にしないで、
火に油を注いだら勝手に鎮火しただけだからw」
あの状況下で火に油を注いでいた自覚があったのか。
馬鹿なのか、それともその後も想定していたんだろうか。
どちらなんだろうか。
「ところで皆さん何を話されていたんですか?」
「・・・あぁっと、君は仲間じゃないからヒントだけね。
ルールに気をつけな。そんだけ。そんじゃね。」
そう告げると3人とも食堂を出て行った。
ルールに気をつけるとは何の事だろう?
とりあえず私室に戻って考えることにした。
確か入場前のルールでは、荷物の持ち込み禁止。
異常な状況が発生するかもしれない。
異常な状況がわからないが一応問題ない。
入場後のルールでは、
部屋決め、食事に賞金を賭ける、完食する事、量が少ない、オッズがかかる。
参加者同士の賭けは、双方の同意があれば可能。
だとすると、食事はともかく、参加者同士の賭けは奪い合いになる事になる。
これが異常な状況なのか?
この異常を避ける為に、食事に賭ける事になっているんだろうか?
それにしても妙だ。
量が少ないのに完食出来ない状況がルールで想定されている。
ルールがある以上、現実に起こりえる事態なのだろう。
そんなことありえるのか?
ちょっと待てよ、食事は自分で選択するというのもルールにあったな。
部屋を探索するとベッドの下に引き出し上の棚があった。
棚を開けると中にはノートパソコンが入っていた。
ノートパソコンを開き、電源を入れると、
メニューを入力してください。
これしか表示されなかった。
メニューを選択するのではなく、メニューを入力するらしい。
ある仮定が生まれたので試してみる事にした。
頼むメニューは増えてしまうが仕方ない。
賭ける金額を最低金額の1万円に設定して注文する事にした。
これが解凍に繋がれば良いのだけれど、
一仕事終えた気分でベッドに横になると、
足元のデジタルボードが目に入った。
デジタルボードには時間と最後のルールが表示されていた。
ルール
必要 ナ 場面 デ 必要 ナ ルール ヲ 適宜 説明 致シマス
あぁそうだよな。
必要な場面で説明されるのが当然だよな。
違う!!ルールはまだあるんだ!
恐らく参加者に明かされていないルールがある筈だ。
何がルールに抵触するか解らない。
これは今後の行動を最低限に絞った方が良さそうだ。
他者が抵触したルールを参考に出来るまで、
行動は控えるべきだろう。
成る程、ようやく食事と心理テストが繋がった。
これは相当に厄介そうだ。
ライバルよりも運営との対立が重要なんだろう。
先程の彼の一言が無ければ、ライバルを優先していた。
また彼に借りが出来てしまったな。
とりあえずは夕飯までは部屋で大人しくしていよう。