食事会08「First match」
「なるほどね。暴力を振るわなければ良い訳だ。
じゃぁ俺は、あんたが200万持っている事に50万ベットする。
これなら良いだろう?」と先程の若い男が自分を指差してきた。
予想外の賞金を手に入れるチャンスだ。
受けない訳が無い
「それじゃぁ不足だ。自分はあなたが100万持っている事に50万ベットする。
カードは見せたくないから、ジャッジはカカリにお願いするよ。」
「あぁそれで良いぜ」
ジャッジ
4番 ノ 勝利 12番 カラ 4番 ニ 50万円 移動シマス。
「はぁ?何でだよ?お前さっきカード見てたじゃねぇかよ
何で200万持ってねぇんだよ!?」
賭けに負けた男が激昂する。
「まぁまぁ落ち着きなよ。
君は賭けをした時点で負けているんだよ
彼が200万持っていたとしても、君の100万は確定している。
という事は、君が勝ってもプラマイ0になる。
彼が100万だったとしたら、君の100万のみ確定しているから、
彼は勝っても負けても、損をしない計算になるんだよ。」
別の男性が助け舟を出す。
「何だそりゃ?勝てるとわかって賭けたのかよ。
ふざけんじゃねぇよ!!」
「人の事言えないでしょ?
貴方も勝てると踏んで賭けたんでしょ?
それに注意力不足よ。
彼の行動をみていれば、
防御策を講じた時点で200万持っていない事が確定するでしょ?」
さらに別の女性が助け舟を出す
「だったらお前らのカードを見せろよ!!」
若い男が意味不明なことを言い始めた。
「バカだねぇ♪折角のゲーム楽しまなきゃ損じゃん♪
カードを見せると今後のゲームに支障があるかもしんないし、
誰も見せるヤツなんていないよ♪
負けた分は食事で取りかえしゃ良いじゃん♪
それにあんま騒ぐと罰則食らうかもしんないよ♪」
最初の扉を最後に入ってきた彼だった。
今度は椅子の上で胡坐をかいている。
本人的には収めようとしているのだろうが、
状況が悪化しても一向に構わなそうな素振りが恐ろしい。
しかし、彼の言動で若い男は大人しくなったので、
この場は良しとしよう。
最初の扉を最後に残っていた10人は強敵らしい、
今、助け舟を出したのは全員そうだった。
助け舟を出すことが何かの伏線になっているのか、
それとも面白がっているのか。
最後の彼は面白がっているんだろうが、
前者2人に関してはまるで読めない。
何を狙っているのか注視する必要がありそうだ。