食事会10「夕食」
結局夕飯まで様々考えたが、これといった打開策が見つからなかった。
夕飯の時間が来たので、仕方なく食堂に向かった。
食堂ではテーブルにナンバープレートが設置されていた。
どうやら私室と同じ席番号に着席するらしく、
先に到着していた人は4番に座っていなかった。
まだ席はまばらだったが、数分もすると席は埋まった。
そこで解ったのは、先程火に油を注いだ彼は13番という事だった。
しばらくすると、カカリがナンバープレートと料理を運んできたが、
中にはナンバープレートだけの物もあった。
自分の番号では中華丼と餃子がきた。
予想通り全ての注文は来なかった。
予想外なのは醤油もラー油も無い事だった。
調味料まで注文しなくてはいけないらしい。
それに対して、5番の助け舟を出してくれた女性は、
ビールのピッチャー3種類とウィンナーに何やらキャベツのサラダとシチュー。
7番の助け舟を出してくれた男性は、
熱燗と湯豆腐に刺身の船盛り。
13番の彼は、豚の角煮に、エビチリ、フカヒレ、中国?の酒と、
5.7.13番は他を圧倒するボリュームを誇っていた。
対して、2.3.6.9.10.12番は何も無かった。
これに対して吠えたのは、やはり12番だった。
「カカリ!!どういう事だよ!何で俺のラーメンがこねぇんだよ!」
ルール
注文 ハ 正確 ニ サレタ 物 シカ 出マセン
「ラーメンは正確だろ!!何ででねぇんだよ!!」
「そりゃラーメンが正確じゃないからだよ♪」
13番がまたちょっかいをかける。
「またてめぇかよ!ラーメンのどこが正確じゃねぇんだよ!」
「説明の義務は無いんだけどね。サービスで教えてあげるよ♪
世の中にラーメンって何種類あると思う?
単純に、しょうゆ、みそ、しお、とんこつ、
魚介ベース、野菜ベース、骨ベース、そして、そのブレンド。
これだけでさえ9種類あるんだよ♪
ラーメンという単語は下手すりゃ無限の可能性まである♪
これでどこが正確なわけ?」
13番の説明に12番は何も言い返せずに顔を赤青している。
すると13番がカカリに質問を始めた。
「カカリ、質問。食事を他者が食しても賞金は注文者に入る?」
ルール
誰 ガ 食シタカ デハ ナク 完食 ガ 条件 ニ ナリマス
「やっぱりね♪じゃ12番の君に一品10万で売ってあげるよ♪買う?」
あの三人はここまで予測していたのか、正直驚いた。
「賞金0だから何もできねぇよ。カカリこの場合失格になるのか?」
ルール
賞金 0 ノ 場合 借金 シテ 賭ケル 事 ガ 出来マス
「売買はダメか。しゃぁねぇ明日の朝飯まで我慢するわ。」
そう告げて12番は食堂から出て行った。
それを追う様に、2.3.6.9.10も食堂から出て行った。
その後も食事が終わった者から出て行き、
自分が食堂から出るときは5.7.13の酒盛り状態になっていた。
自分もラーメンを注文していたのに、
出てこなかったのが13番の説明で解った。
なおかつ賞金が0になると圧倒的に参加者が不利になる事がわかった。
他の参加者も情報を出さないために無言で部屋を出たのだろう。
情報戦でありながら、情報を手に入れづらいのは正直厳しい。
だがまぁ、今日はこれで良しとしよう。
部屋に入る時に、カードキーの裏を見ると151万になっていた。
3品注文で2品完食だから、オッズは2倍だったらしい。