食事会17「アシスト」
自分が食堂に着いたのは5番目だった。
1.5.7.13が先におり、
しかも全員が最初の扉の残り10人だった。
全員が既にリスクに気付いているのだろう。
昼食の時間間際になり、
続々と参加者が入室して、
一気に騒がしくなった。
特に先程ボードゲームをしていた4人が騒がしい。
12番は肩で風を切り、大股で歩きながら、
最後に入室してきた。
どうやら主役は自分であると言いたいらしい。
しばらくするとカカリが食事を配膳してきた。
予想通りほとんどの参加者が丼を頼んでおり、
その内2人を除いてカツ丼だった。
残り2人は親子丼とうに丼だったが、
うに丼には醤油も何もついていなかった。
1.5.7.13はそれぞれ別メニューを頼んでおり、
1は刺身の船盛りにご飯と味噌汁、醤油もちゃんとついていた。
5は何かのピザとナゲットと紅茶とケーキ。
7は麻婆豆腐に餃子とご飯、醤油とラー油もちゃんとついていた。
13はクリーム系スパゲティとパンとカフェオレとケーキ。
周囲を見渡す際に、何人かと目が会った。
全員不思議そうな表情を浮かべていた。
何故かけ蕎麦を頼んだのか解らないらしい。
出てきたかけ蕎麦は、出汁が効いており、
手打ちのようでこしがあり素晴らしく美味しい。
朝食が朝食だっただけに涙が出そうになる。
正に至福の一時だ。
2杯目に手を伸ばそうとした時に、
12番が声を出す。
「カカリ、賞金が朝食の時と違うぞ?!」
ルール
オッズ ハ 変動シマス。
「そうなのかよ。でもまぁプラスだから良いか」
と12番は機嫌良さそうに声を出す。
ナイスアシスト!!12番自らがパスしてシュートしてる。
笑いが込み上げて来るのを必死で耐える。
これで夕食はまたカツ丼に集中する可能性が高くなった。
運が良ければ高いオッズをキープ出来るだろう。
笑うのを食事の所為にする演技をしつつ完食した。
あとは私室に戻って賞金を確認するだけだ。