食事会20「カツ丼」
遊技場に向かうと大勢の参加者で賑っていた。
シアタールームを覗くと12番がホラー映画を見ていた。
ホラーは苦手なので、
そそくさと出ると女性が声をかけてきた。
「大丈夫?顔真っ青だけど・・・」
「あ、はい、ホラーが苦手なもので・・・」
「ホラー苦手なんだw
シアターに入らなければ大丈夫よw
あ、自己紹介まだだったね。
私、浅野水月10番だよ。」
「自分は4番で高橋叶音です。」
「俺、2番の佐藤純也。」
「僕は8番新沼健一です。」
「私はあ6番の櫻みなみね。」
どうやら、2.6.8.10でボードゲームをしていたらしい。
「高橋君もやる?お金はかけてないよ?」
「良いですね。やりましょう。」
ボードゲームは人生ゲームで、
のんびりと穏やかな時間が過ぎて行った。
「それにしても、この心理テスト楽勝だよな。
カツ丼食ってりゃ勝手に賞金増えるんだぜ。」
「だよねぇw誰が考えたのか知らないけど余裕だよねw
ちょっち体重が気になるけどねぇw」
「そういえば高橋はかけそば食って無かった?あれなんで?」
「あ、僕もそれは気になってたんですよ。どうしてですか?」
「深い理由はないですよ。ただ蕎麦が好きなんですよ。」
「でも何でかけそばなの?」
「本当は天蕎麦とかキツネが良いんですけど、
注文の仕方が解らなかったんですよ。」
4人が一斉に頷いた。
どうやら適当な嘘でごまかせたらしい。
ボードゲームが終わる頃、夕飯の締め切り時間が近づいて来た。
5人ともゲームを切り上げて私室に戻る事にした。
どうやら彼らはカツ丼から変更する気はないらしい。
有益な情報が手に入った。