食事会27「視点」
「8番ですが、質問して良いですか?
何で13番達はそんなに詳しいんですか?
2回目の参加だったりするんですか?」
「詳しい?初めてだけど?
あ、ごめん13番ね」
「5番ね。私も初めてだわ。」
「7番だけど、僕も初めてだよ。」
「4番です。自分も初めてです。」
「1番、初参加。」
「13番だけど、逆に2回目以降の人いるの?」
沈黙が流れる。
どうやらいないらしい。
「8番です。どうやら全員初参加みたいですね。
それなのに何故詳しいんですか?」
「13番だけど、その詳しいのが解らないんだけど?
それに詳しかったら死にかけたりしないよ。」
「4番です。自分も13番と一緒に死にかけましたよ。」
「8番です。いつの間にそんな事があったんですか?」
「13番。いつかは忘れたけどカカリに着いていった時だよ。」
「4番です。西側通路の突当りが墓場になっていたんです。
そこで殺されると思いましたよ。」
「13番、詳しかったら、そんな目に遭わなかったよ。」
「8番です。確かにそうですね。
でも、だとしたら、何故賞金がプラスの人と、
借金の人の違いが分かるんですか?」
「4番です。そうですよ。
何でわかるんですか?」
「13番だけど、何で分からないの?」
「5番。おととよ、私もわからんぞ。」
「7番、うん、僕もわからないね。」
「1番。理解出来ない事が理解出来ない。」
「5番。ちょっと待って整理しよう。
プラス組と借金組の違いが分かる人、
1と13以外でいる?」
沈黙が流れる。
「再び5番ね。
13番何で違いが分かったか説明しなさい。」
「いくら姉者だからって命令することないやん。
あ、13番ね。
何でって言われても2番と12番が席を立った時に、
カードキーを確認して顔を青くした人が借金組。
そうじゃないのがプラス組。
ちなみにカツ丼組=借金組じゃないらしい。
何番が借金組かは覚えてないけどね。」
「1番補足する。
2,6,8,10,12が借金組。
その内2,6,12が死亡しているので、
8,10が借金組になる。」
「再び5番ね。
8番と10番はあってる?
他に借金組はいない?」
肯定という沈黙が再び流れる。
恐ろしい事に1,13の発言は合っていた。
あの状況下でどんな視点をしているのか、
13番は勘だと言われていたが、
その勘が冴え渡っている。
1番に於いては洞察力だろう。
いずれにせよ視点が違いすぎる。
「13番ね。
あのさ、このくらいの事見落とすと、
多分このゲーム、いや、ギャンブルと言い換えた方が良いかな。
死ぬよ?
もうちょい覚悟決めた方が良いよ。」
「1番、同意。」
洞察力と勘に優れた二人が言っているのだから、
自分には見えない視点で危険を感知しているのだろう。
今後は死を覚悟する必要がありそうだ。
生還と借金をしない事を目標に行動していこう。