食事会28「モルモット」
「再び5番ね。殺されるとはどういう事?
説明しなさい13番。」
「13番ね。
その前に僕も聞きたい事があるんだわ。
借金組で現在この部屋にいるのは8番だけなのに、
何で共闘の時に複数の声が上がったの?
誰がどんな目的で共闘しようとしてるの?」
「3番だ。借金はないが賞金が少ないんだ。
賞金を増やす為に、共闘が良いと考えたんだ。」
「9番です。自分も同じ理由です。」
「11番、私も同意見よ。」
「13番、なるほど。
3,8,9、11が共闘するのね。
賢明な判断だと思うよ。」
沈黙が流れる。
どうやら13番は忘れっぽいらしい。
確かに直観勝負の人らしい感じだ。
「4番です。あの13番?
殺されるというのは、
どこに行ってしまったんですか?」
「あ、忘れてた!
13番ね、でも、どう説明したもんかなぁ?
状況が流動的だから、
流れで追ってく感じで良い?
1番は補足とかあったらお願いね。」
「1番、了解」
「5番、構わんぞ。」
「13番、んじゃ説明するね。
まず僕はイレギュラーな存在なんだわ。
5番の姉者に手紙が届いただけで、
僕には来てなかったんだわ。
んで、手紙を見た時にゲームの誘いだと思ったわけ。
どういう理由で大金が動くのか知らないけど、
ランキングの上位は賞金が貰えて、
下位は借金になるゲームだと思ったから、
姉者を迎えに来た笑い男に頼んで、
参加させてもらったのさ。
ここまでは良い?」
「5番ね。確かにその通りだったわ。」
「で、実際にゲームに参加するには、
上位を狙わなきゃいけないから、
この部屋を選んだわけ。」
「4番です。何故この部屋なんですか?」
「確率統計的に左、右、真ん中が選ばれやすいから、
その3つを外すと、左と右なら、
右の方が選ばれにくいからだよ。
ここでもゲームだと思ってたんだけど、
食事の注文のルールを聞いて、
ギャンブルだと思ったんだ。」
「11番、それはどうして?」
「オッズってギャンブルにしか使われない単語だから、
参加者同士が食事という物を使ったギャンブルだと思ってた。
12番が殺された時もそう思ってた。
違和感を感じたのは6番が殺された時かな?
もしかしたら参加者全員がモルモットで、
運営側は誰が死んでも構わないと思ってる。
・・・違うな。
運営側では誰が生き残るか賭けているんじゃないか。
もしくは、死ぬ場面を動画とかで流して、
退屈な財界の大物や黒幕を喜ばせているんじゃないか。
そう思ったんだよ。
そうすると、
ルールは後付けだし、すぐ殺すし、
オッズは簡単に下がるしって、
辻褄が全部あってしまうんだよね。」
「1番、同意」
2人の発言に寒気が走る。
部屋が沈黙で包まれた時、
食堂の扉が開きファンファーレが響いた。
ルール
13番、正解。ボーナス ト シテ 現在 ノ 賞金 ガ 倍 ニ ナリマス
「13番、こればっかりは外れて欲しかったのに、
当たっちゃったよ。最悪だ。」
「カカリ質問。今後というか今までもだけど、
一つ間違えれば死ぬって事?」
ルール
ルール 違反者 ニハ 死 モ 適用 サレマス
部屋全体がざわめく
死を覚悟するのではなく、
既に生死の淵に立たされていた。
恐らく1、13以外は恐怖を感じているのだろう。
ざわめきは治まる事が無かった。