食事会40「最初の殺人」
「一体何があったんでしょうか?」
誰にでも無く問いかける。
「私が見た感じでは、
薬物中毒に見えた。
恐らくは毒だろう。」
1番が答える。
「山菜のように見えたから、
トリカブトか何かかしら?
4番が毒を仕込んだの?」
「いえいえ、そんな事していませんよ。
あの山菜は注文していないのに、
勝手に入っていたんですよ。
第一9番を殺しても、
自分は何も得しませんよ。」
5番に問われたので、
慌てて否定する。
「それは僕が保証します。
確かに同盟の注文の時に、
9番はサンドイッチのみを注文しています。
4番と9番の山菜のサラダは、
イレギュラーでしょう。」
8番が擁護してくれたおかげで助かった。
「では、何故注文していない物が、
配膳されて来たんだろうか?」
7番が首を傾げる。
「カカリ質問。
他者の食事に追加で注文する事は可能か?」
1番が代表して質問する。
ルール
正確 ナ 注文 デ アレバ 可能 デス
「恐らく、この部屋の中で、
トリカブトを注文した者はいないだろう。
私が見る限り、
生存する事に精一杯で、
他者に危害を加える余裕は無いだろう。」
「僕もそうだと思うけど、
そうすると誰が9番を殺したんだろうか?」
「私の推測では快楽殺人者が、
参加者に混ざっている。
しかし、この部屋にはいないだな。」
1番と7番の会話の後、
再び1番がカカリに質問をした。
「カカリ質問。
他の部屋の参加者の食事に、
追加注文する事は可能か?」
ルール
正確 ナ 注文 デ アレバ 可能 デス
「そうすると、
快楽殺人者が自分と9番を狙ったんですかね?」
「いや、それは違うと思うよ。
隣の部屋の状況が解らない以上、
番号を指定して狙わないと思うよ。
仮に僕が快楽殺人者だとしたら、
メニューで狙うと思うよ。
今回たまたま4番と9番が、
サンドイッチを注文したんじゃないかな?」
「私もそれに同意見だ。
誰が、何処で、何人死のうが、
全く構わないのだろう。
正に快楽殺人者だ。」
「じゃぁどうやって、
毒を防げば良いんですかね?」
「その方法を教えるのは容易だが、
それは食事の注文方法を教えると同義になる。
13番の勘が正しいと信じると、
私には教える事が出来ない。」
1番に拒否されたので、
7番を見たが首を振るだけだった。
「とりあえず、
今回の食事は全員諦めた方が良いわ。
9番の嘔吐で、どこにトリカブトが入っているか、
全く見当着かなくなってしまっているから。」
5番が纏めて、一先ず会話は終わった。