食事会56「薬」
注文をすませて食堂に行くと1番がいた。
まさに瀕死の重傷という感じで、
顔が真っ青になっていた。
1番の前には皿にもった大量の薬と、
水だと思われる液体の入ったコップがあるだけだった。
「大丈夫ですか?」
「ダメだ。」
「え、ダメって死んでしまうんですか?」
「いや、おそらく食中毒だろう。
何か食い合わせが悪いものを食べてしまったらしい。」
「あぁそれで薬を飲んでるんですね。
薬なんてよく出てきましたね。」
「私も試にやってみたのだが、注文したら出てきたよ。
正直助かった。」
そういうと一番はテーブルに派手に頭をぶつけた。
顔を見ると苦痛に歪んでいた。
どうやら薬でも中々痛みが治まらないらしい。
「カカリ、この施設に治療施設はないの?」
ルール
治療施設 ハ アリマセン
「病気になったらどうするの?」
ルール
特ニ 罰則 ハ アリマセン
治療の方じゃなくて罰則の方で返答がくるとは想定外だった。
体調管理も重要になってくるらしい。
「ははは、これは厳しいな。
私もやきがまわったかな。」
苦痛に呻きながらも1番が語る。
「とりあえず、薬を飲んで安静にしておいた方がいいですよ。」
「そうするよ。」
1番は薬をもってヨロヨロと食堂を出て行った。